ローシュは落ち着いて冷然と言った。「白いパンがいるんだ。洗い立てのようなやつだ。俺《おれ》がごちそうするんだからな。」
 パン屋は思わず微笑して、それから白パンを切りながら、三人をあわれむようにながめた。ガヴローシュはそれがしゃくにさわった。
「おい丁稚《でっち》、」と彼は言った、「なんだってそうじろじろ見てるんだ。」
 だが三人をつぎ合わしても、やっと一尋《ひとひろ》くらいなものだったろう。
 パンが切られると、パン屋は一スー銅貨を引き出しに投げ込み、ガヴローシュはふたりの子供に言った。
「やれよ。」
 子供はぼんやりして彼をながめた。
 ガヴローシュは笑い出した。
「あはあ、なるほど、まだわからないんだな。小《ちっ》ちゃいからな。」
 そして彼は言い直した。
「食えよ。」
 同時に彼は、ふたりにパンを一切れずつ差し出した。
 そして、年上の方はいくらか話せるやつらしいので、少し勇気をつけてやって、遠慮なく腹を満たすようにしてやるがいいと彼は思って、一番大きな切れを与えながら言い添えた。
「これをつめ込むがいい。」
 一切れは一番小さかったので、彼はそれを自分のにした。
 あわれな子
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