すべてが再び現われてきた。彼女は異常な喜びと深いもだえとを感じた。それは彼であった。彼女に手紙を書いたのは彼であった。そこにいたのは彼であった。鉄門から腕を差し入れたのは彼であった。彼女が彼を忘れていた間に、彼は再び彼女を見いだしたのだった。しかし彼女は実際彼をわすれていたのだろうか? 否、決して! 彼女は愚かにも、彼を忘れたと一時思ったのだった。しかし彼女は常に彼を愛していた、常に彼を欽慕《きんぼ》していた。火はしばしおおわれてくすぶっていた。しかし彼女は今はっきりと知った。火はただいっそう深く進んでいたのみである。そして今や新たに爆発して、彼女をすべて炎で包んでしまった。その手帳は、も一つの魂から彼女の魂のうちに投げ込まれた火粉のようなものだった。彼女は再び火が燃え出すのを感じた。彼女はその手記の一語ごとに胸を貫かれた。彼女は言った。「ほんとにそうだわ。私はこれを皆覚えている。みな一度あの人の目の中に読み取ったものばかりだ。」
彼女が三度くり返してそれを読み終えた時、中尉テオデュールは鉄門の前に戻ってきて、舗石《しきいし》の上に拍車を踏み鳴らした。コゼットは目を上げざるを得なかっ
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