き終末をきたすものではない。その消滅も決して廃棄とはならない。
けれどもあまりに高い自負を有してはいけない。革命とてもまた誤りを犯すことがあり、重大なる錯誤が見らるることもある。
一八三〇年に立ち戻ってみよう。一八三〇年は、本道からはずれながらも仕合わせであった。中途に歩を止めた革命の後にいわゆる秩序と称せられた建設のうちにあって、王は王位そのものよりもよほどすぐれていた。ルイ・フィリップはまれな人物だったのである。
歴史的見地よりすれば確かに酌量《しゃくりょう》すべき情状のある父親を持っていたが、しかし父親が非難に相当するとともに、彼は尊敬に相当する人物だった。あらゆる私の徳を有し、多くの公の徳を有していた。自分の健康と財産と身体と仕事とによく意を用いていた。一瞬間の価をよく知っており、常にとは言えないが一年の価も知っていた。節制で快暢《かいちょう》で温和で忍耐強かった。善良な人であり、善良な君主であった。常に正妻とともに寝ね、宮廷内の従僕らに命じて市民に正しい臥床《がしょう》を見さした。それは規律ある奥殿を誇示せんがためであったが、本家([#ここから割り注]訳者注 ルイ・フィ
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