加うるに、若い娘にふさわしい快活優美な小さな道具をもってした、すなわち、戸棚《とだな》、本箱と金縁の書物、文具箱、吸い取り紙、真珠貝をちりばめた仕事机、銀めっきの化粧箱、日本陶器の化粧道具。寝台の帷と同じ三色の色彩がある赤地のダマ織りの長い窓掛けは、二階の窓に掛けられた。一階の窓には、花毛氈《はなもうせん》の窓掛けがつけられた。冬中、コゼットの小さな家は階下も階上も暖められていた。そしてジャン・ヴァルジャン自身は、奥の中庭にある門番小屋みたいな建物に住んでいて、そこには畳み寝台の上に敷いた一枚の蒲団《ふとん》、白木のテーブル、二つの藁椅子《わらいす》、土器の水差し、棚の上に並べた数冊の書物、片すみには彼の大事な鞄《かばん》、などがあるきりで、かつて火はなかった。彼はコゼットといっしょに食事をしたが、自分の前には黒パンを置かした。トゥーサンがきた時彼は言っておいた、「お嬢さんが家の主人だよ。」「そしてあなたは?」とトゥーサンは驚いて尋ねた。「私は主人より上だよ、父親だからね。」
 コゼットは修道院で家政を学んだので、一家のごくわずかな経済を自ら処理した。毎日ジャン・ヴァルジャンはコゼット
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