浪人を逮捕した。そしてブリュジョンの奸計《かんけい》を頓挫《とんざ》せしめたものと思った。
そんな手段がめぐらされてから約一週間ばかりの後のある夜、バーティマン・ヌーフ([#ここから割り注]新館[#ここで割り注終わり])の一階にある寝室を視察していた巡邏《じゅんら》の監視が、箱の中に巡邏証票を入れようとする時――この、証票を箱に入れることは、監視らがその役目を正確に尽した証拠として行なわれていたことで、一時間ごとに、寝室の扉に釘付けにされてる各の箱に、一枚の証票が入れられることになっていた――その時監視は寝室ののぞき穴から、ブリュジョンが寝床に起き上がって壁につけてある蝋燭《ろうそく》の光で何かしたためてるのを見た。看守は中にはいって行った。ブリュジョンは一カ月間監房に入れられた。しかし彼が書いてたものを押さえることはできなかった。警察ではそれ以上何も知ることができなかった。
ただ一つ確かなことは、その翌日、シャールマーニュの庭から獅子《しし》の窖《あなぐら》へ、両者をへだてる六階建ての建物越しに、一つの「御者」が投げ込まれたということである。
囚人らは、巧みに丸めたパンの塊を御
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