かった。
テナルディエは無造作に立ち上がって、暖炉の所へ行き、そばの寝台に立てかけてあった屏風《びょうぶ》を取り払った。そして盛んな火炎に満ちた火鉢《ひばち》が現われ、中には白熱して所々まっかになってる鑿《のみ》があるのが、はっきり捕虜の目にはいった。
テナルディエはそれからルブラン氏のそばに戻ってきて腰をおろした。
「なお先を少し言わしてもらいましょうか。」とテナルディエは言った。「お互いに話がわかろうっていうもんです。だから穏やかに事をきめましょうや。さっき腹を立てたなあわしが悪かった。どうしたのか自分でもわからねえが、あまりむちゃになって、少し乱暴な口をききすぎたようだ。たとえて言ってみりゃあ、お前さんが分限者だからと言って、金が、沢山な金が、莫大《ばくだい》な金がほしいなんて言ったなあ、わしの方がまちがっていた。そりゃあお前さんにいくら金があったところで、いろいろ入費《いりめ》もありなさるだろうし、だれだって同じことでさあ。わしだって何もお前さんの財産をつぶそうっていうんじゃねえ。とにかくお前さんの身をそぐようなこたあしませんや。有利な地位にいるからって、それに乗じて人に笑
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