言った、「みな何か食ったか。」
「ああ、」と母親は言った、「大きい馬鈴薯《じゃがいも》を三つと塩を少し。ちょうど火があるから焼いたんだよ。」
「よし、」とジョンドレットは言った、「明日《あす》はごちそうを食いに連れてってやる。家鴨《あひる》の料理とそれからいろいろなものがついてさ、まるでシャール十世の御殿の晩餐《ばんさん》のようにな。すっかりよくなるんだ。」
それから声を低めて彼はつけ加えた。
「鼠罠《ねずみわな》の口はあいてるし、猫《ねこ》どもももうきている。」
そしてなおいっそう声を低めてまた言った。
「それを火の中に入れて置け。」
マリユスは火箸《ひばし》かまたは何か鉄器で炭をかき回す音を聞いた。ジョンドレットは続けて言った。
「音のしねえように扉《とびら》の肱金《ひじがね》には蝋《ろう》を引いて置いたか。」
「ああ。」と母親は答えた。
「今何時だ。」
「もうすぐに六時だろう。サン・メダールでさっき半《はん》が打ったんだから。」
「よし。」とジョンドレットは言った。「娘どもは見張りをしなくちゃいけねえ。おい、ふたりともこっちへきてよく聞きな。」
しばらく何かささやく声がし
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