》をぬいで、それを寝台の下に押し込んだ。
数分過ぎ去った。マリユスは表の戸がぎーと開く音を聞いた。重い早い足音が階段を上ってき、廊下を通っていって、それから隣の室《へや》の掛け金が音高くはずされた。それはジョンドレットが帰ってきたのだった。
すぐに多くの声が聞こえ出した。一家の者は皆室の中にいた。ちょうど狼《おおかみ》の子が親狼の不在中黙ってるように、一家の者は主人の不在中黙っていたまでである。
「俺《おれ》だ。」と主人は言った。
「お帰んなさい。」と娘らは変な声を立てた。
「どうだったね?」と母親は言った。
「この上なしだ。」とジョンドレットは答えた。「だがばかに足が冷てえ。うむ、なるほどお前はうまくおめかしをしたな。向こうに安心させなけりゃいけねえからな。」
「すっかり出かけるばかりだよ。」
「言っといた事を忘れちゃいけねえ。うまくやるんだぜ。」
「大丈夫だよ。」
「と言うのはな……。」とジョンドレットは言いかけて、皆まで言わずにしまった。
マリユスは彼が何か重いものをテーブルの上に置く音を聞いた。たぶん買ってきた鑿《のみ》ででもあったろう。
「ところで、」とジョンドレットは
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