ー(モーの鷲《わし》)、なるほど君はすてきな獣だね。男の跡をつけてる男を、また追っかけて行こうというんだからな。」
それで彼らは道を引き返した。
マリユスは実際、ムーフタール街をジョンドレットが通るのを見て、その様子をうかがっていたのである。
ジョンドレットは後ろから既に目をつけられていようとは夢にも思わないで、まっすぐに歩いて行った。
彼はムーフタール街を離れた。マリユスはグラシユーズ街の最も下等な家の一つに彼がはいるのを見た。十五分ばかりして彼はそこから出てきて、それからまたムーフタール街に戻ってきた。当時ピエール・ロンバール街の角《かど》にあった金物屋に彼は足を止めた。それからしばらくしてマリユスは、彼がその店から出て来るのを見た。彼は白木の柄のついた冷やりとするような大きな鑿《のみ》を、外套《がいとう》の下に隠し持っていた。プティー・ジャンティイー街の端まで行って彼は左に曲がり、足早にプティー・バンキエ街へはいった。日は暮れようとしていた。ちょっとやんだ雪はまた降り出していた。マリユスは同じプティー・バンキエ街の角に身を潜めた。街路にはやはり人の姿も見えなかった。マリユ
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