番をさしておく。お前は手伝わなくちゃいけねえ。野郎降参するにきまってる。」
「もし降参しなかったら?」と女房は尋ねた。
ジョンドレットはすごい身振りをして言った。
「やっつけてしまうばかりさ。」
そして彼は笑い出した。
彼が笑うのを見るのは、マリユスにとっては初めてだった。その笑いは冷ややかで静かで、人を慄然《りつぜん》たらしむるものがあった。
ジョンドレットは暖炉のそばの戸棚を開き、古い帽子を取り出し、袖でその塵を払って頭にかぶった。
「ちょっと出かけるぜ。」と彼は言った。「まだ会って置かなくちゃならねえ者もいる。みないい奴《やつ》ばかりだ。まあ仕上げを御覧《ごろう》じろだ。なるべく早く帰ってくる。うめえ仕事だ。家に気をつけておけよ。」
そして両手をズボンの隠しにつっ込み、ちょっと考えていたが、それから叫んだ。
「あいつが俺に気づかなかったのは、もっけの仕合わせというものだ。向こうでも気がついたらもうきやしねえ。危うく取りもらす所だった。この髯《ひげ》のおかげで助かったんだ。このおかしな頤髯《あごひげ》でな、このかわいいちょっとおもしろい頤髯でな。」
そして彼はまた笑い出
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