割り注終わり])の所へでも行くのでございますが。嬢は私を知っていましてごく贔屓《ひいき》にしてくれます。まだトゥール・デ・ダーム街に住んでるのでございましょうか。旦那も御存じですかどうか、私は嬢といっしょに田舎《いなか》で芝居を打ったことがあります。私もいっしょに大成功でございました。で只今でもセリメーヌ([#ここから割り注]訳者注 モリエールの喜劇中の人物で機才ある美人――マルス嬢をさす[#ここで割り注終わり])は、きっと私を救ってくれますでしょう。エルミールはベリゼールに物を恵んでくれますでしょう([#ここから割り注]訳者注 前者はモリエールの喜劇中の人物で正直なる婦人、後者は伝説中の人物で零落せる将軍。――マルス嬢とジョンドレット自身とを指す[#ここで割り注終わり])。ですがこの姿ではどうにもできません。その上一文の持ち合わせもありません。まったく家内が病気なのに無一文なのでございます。娘がひどいけがをしているのに無一文なのでございます。家内は時々息がつまります。年齢《とし》のせいでもございましょうが、また神経も手伝っています。どうにかいたさなくてはなりません。また娘の方も同様で
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