ずつもらって機械で仕事をしていますうちに、こんなことになりました。あるいは腕を切り落とさなければならないかも知れませんのです。」
「そうですか。」と老人は驚いて言った。
小さな娘はその言葉を本気に取って、いかにもうまく泣き出した。
「全くのことでございまして、実にどうも!」と父親は答えた。
しばらく前からジョンドレットは、その慈善家を変な様子でじろじろながめていた。口をききながらも、何か記憶を呼び起こそうとでもするように、注意して彼の様子を探ってるらしかった。そして新来のふたりが小娘にその負傷した手のことを同情して尋ねてる間に乗じて、彼は突然、ぼんやりした元気のない様子で寝床に横たわってる女房のそばへ行き、低い声で言った。
「あの男をよく見ておけ!」
それからルブラン氏の方を向き、哀れな状態を口説き続けた。
「旦那《だんな》、ごらんのとおり私は、着る物とては家内のシャツ一枚きりでございまして、それもこの冬の最中にすっかり破れ裂けています。着物がないので外に出られないような始末でございます。着物一枚でもありましたら、私はマルス嬢([#ここから割り注]訳者注 当時名高い女優[#ここで
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