加えた。それからまた頭を占めてる問題に返って言った。「ではきっと来るんだな?」
「すぐあたしのあとにやって来るよ。」と娘は言った。
男は身を起こした。顔には一種の輝きがあった。
「おいお前、」と彼は叫んだ、「聞いたか。今慈善家が来るんだ。火を消しておけよ。」
女房はあきれ返って身動きもしなかった。
父親は軽業師《かるわざし》のようにすばやく、暖炉の上にあった口の欠けた壺《つぼ》を取り、燃えさしの薪の上に水をぶちまけた。
それから姉娘の方へ向いて言った。
「お前は椅子《いす》の藁《わら》を抜くんだ。」
娘はそれが何のことだかわからなかった。
父は椅子をつかみ、踵《かかと》で一蹴《ひとけ》りして、腰掛け台の藁を抜いてしまった。彼の足はそこをつきぬけた。足を引きぬきながら、彼は娘に尋ねた。
「今日は寒いか。」
「大変寒いわ。雪が降ってるよ。」
父は窓の近くの寝床にすわってた妹娘の方を向いて、雷のような声で怒鳴った。
「おい、寝床からおりろ、なまけ者が。いつもつくねんとしてばかりいやがる。窓ガラスでもこわせ。」
娘は震えながら寝床から飛びおりた。
「窓ガラスをこわせったら!」と
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