》であった。
 ごく若い娘もそういう一瞥《いちべつ》をする時がある。そこに居合わした人こそ災いである。
 まだ自分で知らない一つの魂のそういう最初の一瞥《いちべつ》は、空における曙《あけぼの》のようなものである。ある不可知な輝き渡る何物かの目ざめである。尊むべき闇《やみ》をにわかに漠然《ばくぜん》と照らし、現在のあらゆる無心と将来のあらゆる熱情とから成っている、その意外なる光耀《こうよう》の危険な魅力は、何物をもってしても写し出すことはできないであろう。偶然におのれを示し、また他を待っている、一種の定かならぬ愛情である。無心のうちに知らず知らずに張られ、自ら欲せずにまた知らずに人の心をとらえる、一種の罠《わな》である。一個の婦人のようにながむる乙女《おとめ》である。
 その一瞥の落ちる所から深い夢が生まれないことは、きわめてまれである。あらゆる純潔とあらゆる熱情とは、その聖《きよ》き致命的な輝きのうちに集まっており、婀娜《あだ》な女の十分に仕組んだ秋波よりもなお強い魔力を有していて、かおりと毒とに満ちたほの暗いいわゆる恋と呼ばるる花を、人の心の奥ににわかに開かせる。
 その夕方屋根裏の
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