アこで割り注終わり])がそこに復活して来るのである。すなわち次のようなものである。「おーい[#「おーい」に傍点]、仲間[#「仲間」に傍点]、おーい[#「おーい」に傍点]! でかだぞ[#「でかだぞ」に傍点]、いぬだぞ[#「いぬだぞ」に傍点]、用意しろ[#「用意しろ」に傍点]、逃げろ[#「逃げろ」に傍点]、下水からだ[#「下水からだ」に傍点]!」
時とするとそれらの蚊どものうちには――彼らは自ら蚊と綽名《あだな》している――字の読める者もいることがあり、また字の書ける者もいることがある。しかし皆いつも楽書きすることは心得ている。いかなる不思議な相互教育によってかわからないが、彼らは皆公の役に立ち得るあらゆる才能を示す。一八一五年から三〇年までは、七面鳥の鳴き声をまねていたが、一八三〇年から四八年までは、壁の上に梨《なし》を書きつけて回っていた([#ここから割り注]訳者注 七面鳥は前の時の国王ルイ十八世の紋章、梨は後の時の国王ルイ・フィリップの紋章[#ここで割り注終わり])。ある夏の夕方、ルイ・フィリップは徒歩で帰ってきたところが、まだ小さな取るに足らぬ浮浪少年のひとりが、ヌイイー宮殿の鉄
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