う。」
 二人の長老は、応接室の隅《すみ》でしばらくごく低い声で話し合った。それから院長はふり向いて言った。
「フォーヴァン爺《じい》さん、鈴のついた膝当《ひざあて》をも一つこしらえなさい。これから二ついりますからね。」
 果してその翌日、庭には二つの鈴の音が聞こえた。修道女たちは我慢しきれないで、面紗《かおぎぬ》の一端を上げてみた。見ると庭の奥の木立ちの下に、フォーシュルヴァンとも一人、二人の男が並んで地を耘《うな》っていた。一大事件だった。緘黙《かんもく》の規則も破られて、互いにささやきかわした。「庭番の手伝いですよ。」
 声の母たちは言い添えた。「フォーヴァン爺さんの弟です。」
 実際ジャン・ヴァルジャンは正規に任用されたのである。彼は皮の膝当と鈴とをつけていた。それいらい彼は公の身となった。名をユルティム・フォーシュルヴァンと言っていた。
 そういうふうにはいることを許さるるに至った最も有力な決定的な原因は、「醜い娘になるでしょう[#「醜い娘になるでしょう」に傍点]」というコゼットに対する院長の観察だった。
 そういう予言をした院長は、すぐにコゼットを好きになって、給費生として
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