二人いてこんなばかをやるって法があるもんか。だが第一、あの方はどうして修道院の中へはいりなすったんだろう。それがそもそも事の初まりだ。あんなことはするもんじゃない。マドレーヌさん、マドレーヌさん、マドレーヌさん、マドレーヌ、マドレーヌ様、市長様! 私の言うことも聞こえないんだ。さあ何とかして下さらなけりゃ!」
 そして彼は髪の毛をかきむしった。
 遠く木立ちの中に、物のきしる鋭い音が聞こえた。墓地の鉄門がしまる音だった。
 フォーシュルヴァンはジャン・ヴァルジャンの上に身をかがめた。そして突然、彼ははね上がって、墓穴の中でできるだけあとにしざった。ジャン・ヴァルジャンは目を開いて、彼をじっと見つめていた。
 死を見るのは恐ろしいことであるが、蘇生を見るのも同じくらい恐ろしいことである。フォーシュルヴァンはその極度の感動に、度を失い、荒々しくなり、まっさおになり、石のようになって、生者に対してるのか死人に対してるのかも自らわからず、自分の方を見つめてるジャン・ヴァルジャンの顔を見入った。
「私は眠ってしまった。」とジャン・ヴァルジャンは言った。
 そして彼は半身を起こした。
 フォーシュ
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