た、そして上衣のポケットの口が大きく開いた。
 フォーシュルヴァンの茫然《ぼうぜん》とした目つきは機械的にその中に止まって、そこにすえられた。
 太陽はまだ地平線の向こうに落ちていなかった。そしてまだかなり明るかったので、その口を開いたポケットの底に何やら白いものが見て取られた。
 ピカルディーの田舎者《いなかもの》の目が有し得るすべての輝きが、フォーシュルヴァンの瞳《ひとみ》をよぎった。ある考えが彼に浮かんできたのである。
 墓掘り人が※[#「金+産の旧字体」、第3水準1−93−37]《くわ》で土をすくうのに一心になって気づかないうちに、彼はうしろからそのポケットの中に手を差し入れて、底にある白いものを引き出した。
 墓掘り人は第四の一すくいの土を墓穴の中に送った。
 彼が第五にまた一すくいするためふり返った時、フォーシュルヴァンは落ち着き払ってその顔をながめ、そして言った。
「時にお前さんは、札を持ってるかね。」
 墓掘り人はちょっと手を休めた。
「何の札だ?」
「日が入りかかってるよ。」
「いいさ、おはいんなさいとして置くさ。」
「墓地の門がしまるよ。」
「だから?」
「札は持っ
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