かけるのは?」
「私です。」
「君一人だけで?」
「警察の医者のほかは、だれも死人の室にはいることはできません。壁にもちゃんと書いてあります。」
「今晩、修道院の人たちが寝静まったころ、私をその室に隠してもらえまいかね。」
「それはできません。けれどその死人の室に続いてる小さな暗い物置きにならあなたを隠しておけます。そこは私の埋葬の道具を入れて置く所で、私がその番人で鍵《かぎ》を持っています。」
「明日何時ごろ棺車は棺を迎えに来るのかね。」
「午後の三時ごろです。埋葬はヴォージラールの墓地で行なわれますが、日が暮れる少し前です。すぐ近くじゃありません。」
「では私は君の道具部屋に、夜と朝の間隠れていよう。それから食物は? 腹がすくだろう。」
「私が何か持っていってあげましょう。」
「君は二時には、私を棺の中に釘《くぎ》づけにしにやって来るんだね。」
フォーシュルヴァンはしり込みして、指の節を鳴らした。
「それはどうも、できませんな。」
「なに、金槌《かなづち》を取って板に四五本釘を打つだけだ。」
繰り返して言うが、フォーシュルヴァンにとって異常なことも、ジャン・ヴァルジャンにとって
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