トはもう目をさましていた。ジャン・ヴァルジャンは彼女を火のそばにすわらしていた。フォーシュルヴァンがはいってきた時、ジャン・ヴァルジャンは壁にかかってる庭番の負《お》い籠《かご》をコゼットに示しながら言っていた。
「よく私の言うことをお聞き、コゼット。私たちはこの家から出なければなりません。けれどもまた帰ってきて、楽しく暮らせるんです。ここのお爺《じい》さんが、お前をあの中に入れてかついで行ってくれます。そしてあるお上《かみ》さんの家で私を待っているんですよ。私がすぐに連れにやってきます。とりわけ、テナルディエの上《かみ》さんにつかまりたくないから、よく言うことを聞いて、何にも言ってはいけませんよ。」
コゼットはまじめな様子でうなずいた。
フォーシュルヴァンが扉《とびら》を開く音に、ジャン・ヴァルジャンはふり返った。
「どうだったね?」
「すっかりうまくいきました、もう何も残っていません。」とフォーシュルヴァンは言った。「私はあなたがはいれるように許可を受けてきました。しかしあなたを入れる前に、あなたを出さなければなりません。困まるのはそのことです。娘さんの方はわけはありません。」
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