「それはけっこうでございます。窖《あなぐら》を開きましょう。」
「そして四人の歌唱の長老たちが立会って下されます。」
「そして窖をあけましてからは?」
「またしめなければなりません。」
「それだけでございますか。」
「いいえ。」
「何でもお言いつけ下さい、長老様。」
「フォーヴァンや、私たちはお前を信用しています。」
「私は何でもいたします。」
「そして何事も黙っていますね。」
「はい、長老様。」
「窖をあけましたらね……。」
「またしめます。」
「でもその前に……。」
「何でございますか、長老様。」
「その中に何か入れるのです。」
ちょっと沈黙が続いた。院長は躊躇《ちゅうちょ》するように下脣《したくちびる》をとがらしたが、やがて言い出した。
「フォーヴァン爺《じい》さん。」
「長老様?」
「お前は今朝一人の長老が亡《な》くなられたのを知っていましょうね。」
「存じません。」
「では鐘を聞きませんでしたか。」
「庭の奥までは何にも聞こえません。」
「ほんとうに?」
「自分の鐘の音もよく聞こえないくらいでございますから。」
「長老は夜の明け方に亡くなられました。」
「それに今朝は、風
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