た。ところがフォーシュルヴァンはすべてを知りながら、すべてを隠していた。そこに彼の技巧があった。修道院の者はみな彼をばかだと思っていた。それは宗教においては大なる価値となる。声の母たちはフォーシュルヴァンを重宝がった。彼は珍しいほど無口だった。それで人々の信用を得た。その上彼はきちょうめんであって、また果樹や野菜などのためのはっきりした用事のほかは外出しなかった。そういう慎重な行ないが彼のためになった。それでも彼は二人の男にいろいろなことをしゃべらした。修道院では門番に、そして彼は応接室の種々なことを知った。墓地では墓掘り人に、そして彼は墓場の種々なことを知った。そのようにして彼は、修道女たちのことに関して二重の知識を得た、一つはその生について、一つはその死について。しかし彼は何一つ利用しなかった。会衆は彼を大事にした。年取って、跛者で、何事にも盲目で、また耳も少し遠いらしいので、これ以上都合のいいことはなかった。彼に代わるべき者はほとんどないと皆思っていた。
爺《じい》さんは、自分がよく思われてることを知ってるので安心して、修道院長様の面前で、かなりごたごたしたしかもきわめて意味の
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