て下さればよろしいです。上に覆《おお》いをしておきます。シュマン・ヴェール街に果物屋《くだものや》をしてる婆さんで私がよく知ってる者がありますから、いつでもそこに預けることにしましょう。聾でして、小さな寝床も一つあります。私の姪《めい》だが、明日《あした》まで預っていてくれ、と耳にどなってやりましょう。そしてまた娘さんはあなたといっしょにここにはいってくるようにしたらいいでしょう。私はあなたがたがここにはいれるように工夫します。ぜひともそうします。ですが、どうしてまずあなたは出たものでしょう。」
ジャン・ヴァルジャンは頭を振った。
「私は人に見られてはいけないのだ。それが一番大事な点だ、フォーシュルヴァンさん。コゼットのようにかごにはいって覆《おお》いをして出られる方法はないものだろうか。」
フォーシュルヴァンは左手の中指で耳朶《みみたぶ》をかいた。非常に困まったことを示す動作だった。
その時第三の鐘が鳴って頭を他に向けさした。
「あれは検死の医者をいよいよ迎いにゆく合い図です。」とフォーシュルヴァンは言った。「医者は死人を見てから、死んでいる、よろしい、と言うんです。天国への通
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