するに彼の人相は、よく見るとはなはだ愛すべきものであった。その年老いた顔には、悪質か愚昧《ぐまい》かを示すあの上額のいやな皺《しわ》は少しもついていなかった。
 夜明け頃に、フォーシュルヴァンは途方もない夢をみて目をさました。見ると、マドレーヌ氏は藁束《わらたば》の上にすわって、眠ってるコゼットをながめていた。フォーシュルヴァンは半身を起こして言った。
「さて、あなたは今ここにいなさるが、どうして改めてはいる工夫をしたものでしょうかな。」
 その言葉は一言にして事情を言い尽したもので、ジャン・ヴァルジャンを夢想から呼びさました。
 二人の老人は相談をはじめた。
「まず、」とフォーシュルヴァンは言った、「この室から外に出ないようにしなければいけません。子供もあなたも二人とも。一足でも庭に出たら、もうおしまいです。」
「なるほど。」
「マドレーヌさん、」とフォーシュルヴァンはまた言った、「あなたはいい時に、というのは悪い時においででした。一人の修道女がひどく病気なんです。それでこちらはあまり注意されていませんでしょう。もう死にかかってるのかもわかりません。四十時間の祈祷《きとう》がされてい
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