アクソーの肩をたたいて言った、「どうだ将軍[#「どうだ将軍」に傍点]、二十四人のきれいな娘が[#「二十四人のきれいな娘が」に傍点]。」
モン・サン・ジャンの村を奪取すれば、直ちにそこに防寨《ぼうさい》を施すことに定められていた第一軍団の工兵中隊が前を通る時、戦いの結果に確信ある彼は微笑をもってそれを励ました。かく静穏な彼は、ただ尊大な憐憫《れんびん》の一語をもらした。すなわち、左手に、今日大きな墳墓があるあの場所に、灰色のみごとなスコットランド兵がそのりっぱな馬とともに集まっているのを見て、彼は言った、「惜しいものだ[#「惜しいものだ」に傍点]。」
それから彼は馬にまたがり、ロッソンムの前方に赴《おもむ》き、ジュナップからブラッセルへ通ずる道の右手にある小高い狭い芝地を観戦地として選んだ。それは戦闘中の彼の第二の佇立所《ちょりつじょ》であった。第三の佇立所は、午後七時ラ・ベル・アリアンスとラ・エー・サントとの中間のそれであって、恐るべき場所であった。現今なお存しているかなり高い丘であって、その後方には平地の斜面に近衛兵が集められていた。丘のまわりには、砲弾が道路の舗石《しきいし》の
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