国に変容せしむるためには、ただ自由ということで足りる。
なお言葉を進めてみよう。
あの四方の壁の背後にいるそれらの男や女は、荒布をまとい、みな平等で、互いに兄弟姉妹と呼んでいる。それはよろしい。しかし彼らはなお他の事をもなすか?
しかり。
何を?
彼らは影を見つめ、ひざまずき、手を合わしている。
それはいったいいかなる意味であるか?
五 祈祷《きとう》
彼らは祈る。
だれを?
神を。
神を祈る、この語は何を意味するか?
われわれの外部にある無窮なるものがあるのではあるまいか? その無窮なるものは、単一のものであり恒久不易なるものではあるまいか。無窮なるがゆえに、また、もし実体が欠くればその点で限られたるものとなるがゆえに、それは必然に実体的のものではあるまいか、そして、無窮なるがゆえに、また、もし霊が欠くればその点で限られたるものとなるがゆえに、それは必然に霊的のものではあるまいか。われわれは自身に存在の観念しか与え得ないが、その無窮なるものはわれわれのうちに本質の観念を覚《さま》させるのではあるまいか。言葉を換えて言えば、それはわれわれの対称たる絶
前へ
次へ
全571ページ中454ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング