国に変容せしむるためには、ただ自由ということで足りる。
 なお言葉を進めてみよう。
 あの四方の壁の背後にいるそれらの男や女は、荒布をまとい、みな平等で、互いに兄弟姉妹と呼んでいる。それはよろしい。しかし彼らはなお他の事をもなすか?
 しかり。
 何を?
 彼らは影を見つめ、ひざまずき、手を合わしている。
 それはいったいいかなる意味であるか?

     五 祈祷《きとう》

 彼らは祈る。
 だれを?
 神を。
 神を祈る、この語は何を意味するか?
 われわれの外部にある無窮なるものがあるのではあるまいか? その無窮なるものは、単一のものであり恒久不易なるものではあるまいか。無窮なるがゆえに、また、もし実体が欠くればその点で限られたるものとなるがゆえに、それは必然に実体的のものではあるまいか、そして、無窮なるがゆえに、また、もし霊が欠くればその点で限られたるものとなるがゆえに、それは必然に霊的のものではあるまいか。われわれは自身に存在の観念しか与え得ないが、その無窮なるものはわれわれのうちに本質の観念を覚《さま》させるのではあるまいか。言葉を換えて言えば、それはわれわれの対称たる絶
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