けが》すように思われたので、院長の禁ずるところとなった。その貸与は修練女にしか許されなかった。注意すべきことには、それらの仮装は修道院の中でひそかな布教心によって特に許され奨励されたものであって、聖衣に対するある予備趣味を娘らに与えるためのものだったが、寄宿生らにとっては現実の幸福であり実際の楽しみであった。彼女らはごく単純にそれを喜んでいた。それは新奇なものであって[#「それは新奇なものであって」に傍点]、彼女らの心を変えさした[#「彼女らの心を変えさした」に傍点]。子供心のいかにも無邪気な理由ではないか。それにしても、手に灌水器《かんすいき》を持ち、譜面机の前に四人ずつ立って、数時間歌を歌うという幸福は、われわれ俗人の容易に理解し難いものである。
 生徒らは苦業を除いて修道院のすべての勤めを守っていた。中には、世に還《かえ》って結婚した数年後まで、だれかが扉《とびら》をたたくたびごとに急いで「永遠に[#「永遠に」に傍点]」と言う習慣を脱し得なかったような、そういう女もいた。修道女らのように、寄宿生らも近親の者に応接室でしか会えなかった。母親でさえ、彼女らを抱擁することは許されなかっ
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