い声で呼んだ。
「コゼット!」
コゼットは目を開かなかった。
彼は激しく揺すってみた。
彼女は目をさまさなかった。
「死んだのかしら!」と彼は言った。そして頭から足先まで震えながら立ち上がった。
最も恐ろしい考えが混乱して彼の頭を通りすぎた。おぞましい想像が一隊の地獄の神のように襲いきたって、頭脳の壁に激しく押し寄せることもあるものである。愛する人々の身の上に関する場合には、用心深い人の心もあらゆる狂気じみたことを考え出すものである。睡眠も寒い夜戸外においては生命にかかわることがあるのを彼は思い出した。
コゼットはまっさおになって、彼の足元の地面にぐったり横たわって、身動きもしなかった。
彼は耳をあててその呼吸をきいてみた。
息はまだあった。しかしそれもきわめてかすかで、すぐにも止まりそうに思えた。
どうして彼女をあたためるか、どうして彼女をさまさせるか? その一事より以外のことはすべて彼の頭から消えてしまった。彼は我を忘れて小屋の外に飛び出した。
十五分とたたないうちにコゼットを寝床に寝かして火のそばに置いてやることは、是非ともしなければならないことだった。
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