そうくつ》から狩り出された獣のように、永住し得る場所を見いだすまで一時身を隠す穴をさがしていた。
ジャン・ヴァルジャンはムーフタールの一郭のうちにある種々な入り組んだ小路を歩き回った。その辺は中世紀の規律をまだ保って消燈規定の下にあるかのように、もうすっかり寝静まってしまっていた。彼は賢い策略をもって、サンシエ街やコポー街を、バトアール・サン・ヴィクトル街やブュイ・レルミット街を、いろんなふうにあわせ用いた。そのあたりにはいくらか木賃宿もあったが、適当なのが見当たらないので中にはいってもみなかった。よしだれか自分の跡をつけていた者があったにしても、もうその男をまいてしまったに違いないと信じていた。
サン・テティエンヌ・デュ・モン教会堂で十一時が鳴った時、ポントアーズ街十四番地にある警察派出所の前を彼は通った。それから間もなく彼は、前に述べたような一種の本能からふり返ってみた。その時、派出所の軒燈のために照らし出された三人の男の姿がはっきり見えた。彼らはかなり近く彼のあとをつけていて、街路の影の方のその軒燈の下を次々に通って行った。その一人は派出所の門のなかへはいって行った。けれど先
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