いていた。ただそれらの大きなガラスには種々な割れ目があって、器用に紙で張って隠してあるので、またかえって目立っていた。鎧戸は留め金がはずれぐらぐらしてるので、家の者を保護するというよりもむしろ下を通る人々に不安を与えていた。日よけの横木が所々取れていて、そこには板が縦に無造作に打ち付けてあった。それで初めは鎧戸だったものが、ついには板戸となったありさまである。
時勢遅れのようなその戸口とこわれてはいるが相当なその窓とがかく同じ家に見えることは、ちょうど不似合いな二人の乞食《こじき》を見るようなもので、二人はいっしょに並んで歩いてはいるが、同じようなぼろのうちにも各異った顔つきをしていて、一人は元来の乞食であるが、一人は元一個の紳士であったらしく思えるようなものだった。
階段は建物の一部に通じていて、そこはきわめて広く、ちょうど納屋を住宅にしたもののようだった。建物の中には腸のように廊下が続いていて、それから左右に種々な大きさの部屋らしいものがあったが、それもようやく住まえるだけのもので、部屋というよりむしろ小屋といった形である。それらの室《へや》は周囲の空地に面していた。そしてどれ
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