、あたたかいのよ。ねえ、これで遊びましょう。これは私の小さな娘よ。私は奥様よ。私があなたの所へ行くと、あなたがこの娘を見るの。そのうちあなたは髯《ひげ》を見つけてびっくりするのよ。それからあなたは、耳を見つけ出し、こんどはまた尾《しっぽ》を見つけ出して、びっくりするのよ。そしてあなたは私に言うの、あらまあ! って。すると私が言うの、ええ奥さん、これが私の小さな娘ですよ、今時の小さな娘はみんなこうですよ。」
アゼルマは感心してエポニーヌの言葉を聞いていた。
一方では酒を飲んでいた連中が、卑猥《ひわい》な歌を歌い出して、家が揺れるほど笑い興じていた。テナルディエは彼らをおだて、彼らに調子を合わしていた。
小鳥が何ででも巣をこしらえてしまうように、子供はどんなものをも人形にしてしまうものである。エポニーヌとアゼルマとが猫に着物をきせてる間に、コゼットの方では剣に着物を着せていた。それをしてしまうと彼女はそれを腕に抱えて、寝つかせるために静かに歌を歌った。
人形は女の児が一番欲しがるものの一つで、また同時にその最もかわいい本能を示すものの一つである。世話をやき、下衣を着せ、飾り立て、着
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