ったので、あたかも年取った女のような痛ましい様子で考えにふけるのだった。
彼女の眼瞼《まぶた》は、テナルディエの上《かみ》さんに打たれたので黒くなっていた。そのために上さんは時々こんなことを言っていた、「目の上に汚点《しみ》なんかこしらえてさ、何て醜い児だろう!」
コゼットは考えていた、もう夜になっている、まっくらな夜になっている、ふいにやってきたお客の室《へや》の水差しやびんには間に合わせに水を入れなければならないし、水槽《みずぶね》にはもう水がなくなってしまっている。
ただ少し彼女が安堵《あんど》したことには、テナルディエの家ではだれもあまり水を飲まなかった。喉《のど》の渇《かわ》いた人たちがいないというわけでもなかったが、その渇きは水甕《みずがめ》よりもむしろ酒びんをほしがるような類《たぐ》いのものだった。酒杯の並んでる中で一杯の水を求める者は、皆の人から野蛮人と見なされる恐れがあったのである。けれどもコゼットが身を震わすような時もあった。テナルディエの上さんは竈《かまど》の上に煮立ってるスープ鍋《なべ》の蓋《ふた》を取って見、それからコップを手にして、急いで水槽の所へ行っ
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