その背に神法をになっている。帝国が専制的であったがゆえに、それに代わった王国が事物の自然の反動として無理にも自由的でなければならなかったことは、真実である。そして勝利者らのいたく遺憾としたことではあったが、余儀ない立憲制がワーテルローから出てきたことも、真実である。革命は真に敗らるることのできないものだからである。そしてそれは天意的なもので絶対に決定的なものであるがゆえに、常に再現し来るからである。すなわち、ワーテルローの前においては、古き諸王位を覆《くつがえ》したボナパルトのうちに、そしてワーテルローの後においては、憲法に同意し服従したルイ十八世のうちに現われた。ボナパルトは平等を表明するに不平等を用いて、ナポリの王位に一御者を据え、スエーデンの王位に一軍曹を据えた。ルイ十八世はサン・トーアンにおいて人権尊重の宣言に署名した。もし革命の何たるやを解せんと欲するならば、それを「進歩」と呼んでみるがいい。そしてもし進歩の何たるやを解せんと欲するならば、それを「明日」と呼んでみるがいい。明日は必ずや明日の仕事をなす、しかもそれを既に今日よりなしている。明日は不思議にも常にその目的とするとこ
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