かりうまくいった!」とフォーシュルヴァンは言った。「あなたの考えは実にえらいもんだ、マドレーヌさん。」
彼らはヴォージラールの市門を、ごく平気で通りすぎた。墓地の付近では、※[#「金+産の旧字体」、第3水準1−93−37]《くわ》と鶴嘴《つるはし》とはいずれも通行券と同様である。
ヴォージラール街には人影もなかった。
「マドレーヌさん、」とフォーシュルヴァンは歩きながら人家の方を見上げて言った、「あなたは私より目がいい。八十七番地というのを見て下さい。」
「ちょうどここがそうだよ。」とジャン・ヴァルジャンは言った。
「往来にはだれもいません。」とフォーシュルヴァンは言った。「鶴嘴を私に下さい、そしてちょっと待っていて下さい。」
フォーシュルヴァンは八十七番地の家にはいってゆき、いつも貧乏のために屋根裏にばかり行く本能から、ずっと上まで上っていって、ある屋根部屋の扉《とびら》を暗闇《くらやみ》の中にたたいた。中からだれか答えた。
「おはいり。」
それはグリビエの声だった。
フォーシュルヴァンは扉を押し開いた。墓掘り人の住居は、あわれな人たちの住居にいつも見るように、道具がなくてしかも取り散らかした屋根裏だった。荷造り用の箱みたいなものが――おそらく棺かも知れないが――戸棚《とだな》の代わりになっており、バタの壺《つぼ》が水桶《みずおけ》の代わりとなり、一枚の藁蒲団《わらぶとん》が寝床となり、床板《ゆかいた》がそのまま椅子《いす》ともテーブルともなっていた。片すみには、古い一片の絨毯《じゅうたん》のぼろの上に、やせた一人の女と大勢の子供とが一かたまりになっていた。そのあわれな部屋の中には、すべてかき回された跡が残っていて、一挙に地震でもきたようなありさまだった。物の蓋《ふた》は取りのけられ、ぼろはまき散らされ、壜《びん》はこわされ、母親は泣いた様子であり、子供らはたぶんなぐられたのであろう。すべて、いら立ち熱中した穿鑿《せんさく》の跡が見えていた。言うまでもなく、墓掘り人は狂気のようになって札をさがし回り、そして女房から壜に至るまで室の中のあらゆるものに紛失の責を負わしたのである。彼はもう自暴自棄の様子をしていた。
しかしフォーシュルヴァンは早く事件の結末ばかりを急いでいて、成功のその悲しい半面を目にも止めなかった。
彼は中にはいって言った。
「お前さんの
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