すか。それならば私はあなたに考慮を求めたい。私をして言わしむれば、凶賊カルトゥーシュの弟、単にその弟であったという罪のためにグレーヴの広場で繩《なわ》をもって両|腋《わき》をつるされ、ついに死に至ったあの罪なき子供は、単にルイ十五世の孫であったという罪のためにタンブル城の塔内で死に処せられたルイ十五世の罪なき孫ルイ十七世に比して、同じく惨《いた》ましいものであったのです。」
「私は、」と司教は言った、「それらの二つの名前をいっしょにすることを好まないです。」
「カルトゥーシュのためにですか。またはルイ十五世のためにですか。二人のうちどれのためにあなたは異議をとなえるのです?」
ちょっとの間沈黙が続いた。司教はほとんどここにきたことを悔いた。それでもなお彼は、漠然《ばくぜん》とまた不思議に心の動揺を感じた。
議員はまた言った。
「あああなたは生々《なまなま》しい真実を好まれないのです。がキリストはそれを好んでいた。キリストは笞《むち》を取ってエルサレムの寺院から奸商《かんしょう》らを追い放った。彼の光輝に満ちた笞は真理を生々しく語るものです。彼が|幼児をして《シニテ・パルヴュロス》(
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