つの怪物である。彼は王の死刑には賛成しなかったが、ほとんどしたも同じである。准|弑虐者《しぎゃくしゃ》で、恐るべき奴である。正当な君主が戻られた際に、人々はなぜこの男を臨時国事犯裁判所に連れ出さなかったのか。必ずしも首を切る必要はなかったかも知れない。寛大が必要であったろうから。しかし終身追放くらいは。要するに一つの見せしめなんだ! それから……またそれから……。その上彼は、その仲間の奴らと同じに無神論者なんだ。――市民らはちょうど禿鷹《はげたか》について鶩《あひる》の騒ぐがような調子であった。
で結局このGは禿鷹であったであろうか。もし彼の孤独な生活のうちにおけるその獰猛《どうもう》な有様より判断するならば、しかりと言わなければならなかった。ただ王の処刑に賛成しなかったばかりで、彼は追放被布告者のうちに入れられずに、フランスにとどまってることができたのであった。
彼は町から四五十分ほどかかる所に、村里遠く道路から遠く、荒涼たる谷間の人知れぬ場所に住んでいた。彼はそこに少しの畑地と、一つの陋屋《ろうおく》、巣窟《そうくつ》を持っていると言われていた。隣人もなく通りすぎる人もなかった
前へ
次へ
全639ページ中76ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング