ます。
精神に偉大なものを持っている人とともにあるには、かくなければなりません。
フォー一家についてお尋ねのことは兄に聞き訊《ただ》してみました。兄は常に善良な王党の人でありますので、御承知のとおりいろいろなことを知っており、いろいろな事を記憶しております。この一家は確かにカアン地方のきわめて古いノルマンディーの家がらであります。五百年前にはラウール・ド・フォー、ジャン・ド・フォー、トーマ・ド・フォーなどの貴族がありまして、その一人はロシュフォールの領主でした。一家の最後の人はギー・エティエンヌ・アレクサンドルと言って、連隊の指揮官でまたブルターニュ軽騎兵の何かの役を持っていました。その娘のマリー・ルイズは、ルイ・ド・グラモン公爵の息子《むすこ》アドリアン・シャール・ド・グラモンと言って、枢密官であり親衛軍の連隊長で陸軍中将であった人と、結婚しています。それからフォーというのには Faux, Fauq, Faoucq の三とおりの綴《つづ》り方があります。
子爵夫人さま、私どものことをあなたの聖《きよ》き御親戚枢機官様へよろしくお願いいたします。あなたの御親愛なるシルヴァニー様に
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