でしょう。もしあなたがその痛ましい場所から、人間に対する憎悪と憤怒との思想を持って出てこられるならば、あなたはあわれむべき人で、もしそこから好意と穏和と平和との思想を持って出てこられるならば、あなたはわれわれのだれよりもまさった人です。」
その間にマグロアールは夕食を整えた。水と油とパンと塩とでできたスープ、少しの豚の脂肉《あぶらにく》、一片の羊肉、無花果《いちじく》、新しいチーズ、それに裸麦の大きなパン。彼女はまた自分で、司教の普通の食物にそえてモーヴの古いぶどう酒の一びんを出した。
司教の顔には急に、人を歓待する性質の人に特有な快活な表情が浮かんだ。「どうか食卓に!」と彼は元気よく言った。いつも他人と食事を共にする時のとおりに、彼は男を自分の右にすわらせた。バティスティーヌ嬢はまったく穏かにそして自然に、彼の左の席についた。
司教はいつものとおりに、祝祷《しゅくとう》をささげてからみずからスープをついだ。男はむさぼるように食い初めた。
突然司教は言った。「何か食卓に足りないようだね。」
マグロアールは実際そこに必要だった三人分の食器をそろえたのみだった。しかるに、司教がだ
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