は善《よ》い方だ。あなたは私を軽蔑なさらない。私を家に入れて下さる。私のために蝋燭《ろうそく》をともして下さる。私がどこからきたかを隠さず、私が惨《みじ》めな者であることを隠さなかったのに。」
 司教は彼のそばに腰を掛けて、静かに彼の手に触《さわ》った。「あなたはあなたがだれであるかを私に言わなくてもよかったのです。ここは私の家ではなくて、イエス・キリストのお家です。この家の戸ははいって来る人に向かって、その名前を尋ねはしません、ただ心に悲しみの有る無しを尋ねます。あなたが苦しんでいられ、飢えと渇《かわ》きとを感じていられるならば、あなたは歓待せられます。そして私に礼を言ってはいけません、私があなたを自分の家に迎え入れたのだと言ってはいけません。だれも、安息所を求める人を除いてはだれも、ここは自分の家ではありません。私は通りすがりのあなたに向かってもそれを言います。ここは私の家というよりもむしろあなたの家です。すべてここに在《あ》るものはあなたのものです。何で私があなたの名前を知る必要がありましょう。それにまた、あなたが言われない前から私はあなたの一つの名前を知っています。」
 男は驚
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