ぐれたる光明を有するに至るであろう。
ジャヴェルは明らかに、マドレーヌ氏のまったくの自然さと落ち着きとによって、やや心を惑わされたのであった。
けれどもある日、彼の不思議な態度はマドレーヌ氏に印象を与えたらしかった。いかなる場合でかは次に述べよう。
六 フォーシュルヴァンじいさん
ある朝マドレーヌ氏は、モントルイュ・スュール・メールの敷石のない小さな通りを通っていた。その時彼は騒ぎを聞きつけ、少し向こうに一群の人々を認めた。彼はそこに行ってみた。フォーシュルヴァンじいさんと呼ばれている老人が、馬の倒れたため馬車の下に落ちたのだった。
このフォーシュルヴァンは、当時マドレーヌ氏がまだ持っている少数の敵の一人だった。マドレーヌがこの地にやってきた当時、以前は公証人をしていて田舎者としてはかなり教育のあるフォーシュルヴァンは、商売をしていたが、それがしだいにうまくゆかないようになりはじめていた。彼はその一職人がしだいに富裕になってゆくのを見、また人から先生と言われている自分がしだいに零落してゆくのを見た。それは彼に嫉妬《しっと》の念を燃やさした。そして彼はマドレーヌを害《そこな》うために機会あるごとにできるだけのことをした。そのうちに彼は破産してしまった。そして年は取っており、もはや自分のものとしては荷車と馬とだけであり、その上家族もなく子供もなかったので、食べるために荷馬車屋となったのだった。
さて馬は両脚《りょうあし》を折ったので、もう立つことができなかった。老人は車輪の間にはさまれていた。車からの落ち方が非常に悪かったので、車全体が胸の上に押しかかるようになっていた。車にはかなり重く荷が積まれていた。フォーシュルヴァンじいさんは悲しそうなうめき声を立てていた。人々は彼を引き出そうとしてみたがだめだった。無茶なことをしたり、まずい手出しをしたり、下手《へた》に動かしたりしようものなら、ただ彼を殺すばかりだった。下から車を持ち上げるのでなければ、彼を引き出すことは不可能だった。ちょうどそのでき事の起こった時にき合わしたジャヴェルは、起重機を取りにやっていた。
マドレーヌ氏がそこにやってきた。人々は敬意を表して道を開いた。
「助けてくれ!」とフォーシュルヴァン老人は叫んだ。
「この年寄りを助けてくれる者はいないか。」
マドレーヌ氏はそこにいる人
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