#地から8字上げ]リストリエ
[#地から3字上げ]フェリックス・トロミエス
[#ここから3字下げ]
追白、食事の払いは済んでいる。
[#ここで字下げ終わり]
四人の若い娘は互いに顔を見合った。
ファヴォリットが第一にその沈黙を破った。
「なるほど、」と彼女は叫んだ、「とにかくおもしろい狂言だわ。」
「おかしなことだわ。」とゼフィーヌは言った。
「こんなことを考えついたのはブラシュヴェルに違いない。」とファヴォリットは言った。「そう思うとあの男が好きになったわ。いなくなったら恋しくなる。まあ万事そうしたものね。」
「いいえ、」とダーリアは言った、「これはトロミエスの考えたことだわ。受け合いだわ。」
「そうだったら、」とファヴォリットは言った、「ブラシュヴェルだめ、そしてトロミエス万歳だわ。」
「トロミエス万歳!」とダーリアとゼフィーヌとは叫んだ。
そして彼女たちは笑いこけた。
ファンティーヌも他の者と同じく笑った。
一時間後、自分の室に帰った時に、ファンティーヌは泣いた。前に言ったとおり、それは彼女の最初の恋であった。彼女は夫に対するようにトロミエスに身を任していた。そしてこのあわれな娘にはもう一人の児ができていたのであった。
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第四編 委託は時に放棄となる
一 母と母との出会い
パリーの近くのモンフェルメイュという所に、今ではもう無くなったが、十九世紀の初めに一軒の飲食店らしいものがあった。テナルディエという夫婦者が出していたもので、ブーランジェーの小路にあった。戸口の上の方には、壁に平らに釘《くぎ》付けにされてる一枚の板が見られた。その板には、一人の男が他の一人の男を背負っているように見える絵が描《か》いてあった。背中の男は、大きな銀の星がついてる将官の太い金モールの肩章をつけていた。血を示す赤い斑点《はんてん》が幾つもつけられていた。画面の他の部分は、一面に煙であってたぶん戦争を示したものであろう。下の方に次の銘が読まれた、「ワーテルローの軍曹へ。」
旅籠屋《はたごや》の入口に箱車や手車があるのは、いかにも普通のことである。一八一八年の春のある夕方、ワーテルローの軍曹の飲食店の前の通りをふさいでいた馬車は、なお詳しく言えばそのこわれた馬車は、いかにも大きくて、もし画家でも通りかかったらきっとその注意をひくであ
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