、そして肉体的な快活な高慢な様子をしていた。少しも理知的ではなく、至って感傷的ではなくて、母親から呑気《のんき》な怠惰を受け継いでいた。引きつづいて十一時間もぐっすり眠った。その他の時間はまだよく眼覚《めざ》めないようなふうで笑いながらぶらついていた。クリストフは彼女をドルンロースヘン――眠りの森の姫――と名づけていた。あのかわいいザビーネを思い起こさせられた。彼女は寝ても歌っており、起きても歌っており、理由もないのに笑っては、しゃくりのように笑いをのみ下しながら、子供らしい愉快な笑い方をした。日々をどうして過ごしているかわからないほどだった。コレットは、若い娘の精神に漆のようにすぐにくっつく人造光沢で、しきりに彼女を飾りたてようとつとめたが、すべて徒労に帰してしまった。漆が少しもつかなかった。彼女は何にも覚えなかった。ごく面白いと自分で思う書物を一冊読むにも、数か月かかって、しかも一週間もたてば、その本の名も内容も忘れてしまった。平気で綴《つづ》り字の間違いをしたり、高尚なことを話しながら滑稽《こっけい》な誤りをしたりした。そして彼女は、若さによって、快活さによって、知力の乏しさによ
前へ
次へ
全340ページ中283ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ロラン ロマン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング