かくも大いなる
かくもやさしきこの音は!………」(スキピオの夢)
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 ジョルジュはコレットのもとを去ると、同情の念に駆られてクリストフのところへ舞いもどった。彼は前々からコレットの不謹慎な言葉によって、グラチアがクリストフの心中のいかなる地位を占めてるかを知っていたし、時とすると――(青年は敬意を欠きがちなものである)――それを面白がることもあった。しかし今彼は、かかる死亡がクリストフに起こさせるべき悲しみをひどく痛切に感じたのだった。そして彼のところへ駆けつけて行き、彼を抱擁し彼に同情したかった。彼の情熱の激しさを知ってただけになおさら――先刻彼が示した静平さに不安の念をいだかせられた。ジョルジュは呼鈴を鳴らした。何にも物の動く気配がなかった。彼はまた呼鈴を鳴らして、クリストフとの間に約束してる特別の仕方で扉《とびら》をたたいた。肱掛椅子《ひじかけいす》の動く音がして、ゆるやかな重々しい足音の近づくのが聞こえた。クリストフは扉を開いた。その顔はあまりに落ち着いていたので、彼の腕の中へ飛び込むつもりだったジョルジュは立ち止まった。どう言ってよいかわからなかった
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