的理性の軛《くびき》からのがれたのだった。もとより彼は当時の無気力な不道徳にたいしては、軽蔑《けいべつ》の念を少しも失いはしなかった。彼がやはり考えていたところによれば、不潔な芸術は芸術の最下等なものであった。なぜなら、それは芸術の一つの病気であって、腐敗した木に生ずる茸《きのこ》であった。しかしながら、快楽のための芸術は芸術の淫売《いんばい》であるとしても、彼はそれにたいして、道徳のための芸術という浅見な功利主義、鋤《すき》を引いてる翼なき神馬ペガソスを、押し立てはしなかった。最高の芸術、芸術たる名に恥ずかしからぬ唯一の芸術は、一時の法則を超越してるものである。それは無限界に投ぜられたる彗星《すいせい》である。実際的事物の範囲内において、その力が有益なることもあり得るだろうし、無益もしくは危険であると見えることもあり得るだろう。しかしそれは力であり、火であり、天より迸《ほとばし》った電光である。したがってそれは神聖なるものであり、善をなすものである。その善行は幸いにも実際的種類のものでさえあり得る。しかしその神聖なる真の善行は、信仰と同じく、超自然的種類のものである。この力はそれが発
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