である。われ自身よりほかにだれもいない。われには軍隊はない。」
「汝は一人きりではない。そして汝は汝自身のものでもない。汝は予が声の一つであり、予が腕の一つである。予のために語りまた打てよ。たといその腕が折れようとも、その声がくじけようとも、予自身はなおつっ立っている。予は汝より他の声と他の腕とをもって戦うのだ。汝はよし打ち負けるとも、けっして負けることのない軍隊に属しているのだ。それを覚えておくがよい。さすれば汝は死んでもなお打ち勝つであろう。」
「主《しゅ》よ、われはこんなに苦しんでいる!」
「予もまた苦しんでいると汝《なんじ》は思わないか。幾世紀となく、死は予を追跡し、虚無は予をねらっている。予はただ勝利によって己が道を開いているのだ。生の河流は予が血で真赤《まっか》になっている。」
「戦うのか、常に戦うのか。」
「常に戦わなければならないのだ。神といえども戦っている。神は征服者である。呑噬《どんぜい》の獅子《しし》である。ひしひしと寄せてくる虚無を打倒している。そして戦いの律動《リズム》こそ最上の諧調《かいちょう》である。この諧調は命数に限りある汝の耳には聞き取れない。汝はただ
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