われを解放し、この身体と魂とをこわし、われを地上からもぎ取り、われを生から根こぎにして、われを穴の中で限りなく※[#「足へん+宛」、第3水準1−92−36]《もが》かしめたもうな! われは懇願する……。われを終わらしめたまえ!
かように、クリストフの苦悩は、理性が信じていない一つの神を呼ばっていた。
彼はスイスのジュラの山中の孤立した農家に逃げ込んだ。その家は森を後ろにして、起伏してる高い丘の襞《ひだ》のうちに隠れていた。地面のうねりが北風を防いでいた。家の前方には、牧場や木の茂った長い斜面が広がり、突兀《とつこつ》たる岩が屹立《きつりつ》し、曲がりくねった樅《もみ》が崖《がけ》にしがみつき、大きく腕を広げた※[#「木+無」、第3水準1−86−12]《ぶな》が後ろに倒れかかっていた。空はどんよりしていた。生の気配が見えなかった。線のぼやけた無形の広漠《こうばく》さだった。すべてが雪の下に眠っていた。ただ狐《きつね》だけが夜の森の中に鳴いていた。ちょうど冬の終わりだった。長くためらってる冬であり、いつまでもつきない冬だった。もう終わったかと思うとまたやって来た。
それでも一週間
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