−6]《こめかみ》の骨には、蒼白《そうはく》な皮膚が張りつめていた。あたかも死人のようだった。
クリストフは、乱れた寝床を直し、ピストルを拾い上げ、もぎ取った錠前を取り付け、室の中をすっかり片付けて、そこを去った。なぜなら、もう七時になっていて、ベービがやって来るころだった。
ブラウンはその朝もどってきて、同じ虚脱の状態にあるアンナを見出した。ただならぬことが起こったのをよく見てとった。しかしベービからもクリストフからも何一つ聞き出し得なかった。アンナは終日身動きもしなかった。眼も開かなかった。脈搏《みゃくはく》はほとんど感じられないくらいに弱かった。時とするとまったく止まってしまって、ブラウンは一時、心臓の鼓動がやんだのではないかと思って心配した。彼は情愛のために自分の学問をも疑いだした。同業者のところに駆けていって連れて来た。二人はアンナを診察したが、ある熱病の始まりであるかあるいはヒステリー的神経症であるかを、決定することができなかった。病人の容態を観察しつづけなければならなかった。ブラウンはアンナの枕頭を離れなかった。食事もしなかった。夕方になると、アンナの脈は熱の徴候を
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