引き離しながら叫んだ。
「あっちへ行ってください!……ああ、あなたは何をしたんです?」
 彼女は彼を打った。しかし激情にくじけて、枕の《まくら》上に倒れ伏した。そしてすすり泣いた。
「おお、また今までどおりのことが!」
 クリストフは彼女の両手を執りながら彼女を抱擁し、彼女を叱《しか》り、やさしいまた手荒い言葉を言ってやった。
「死ぬんですか! 私を打ち捨てて。一人で死ぬんですか!」
「あああなたは!」と彼女は痛ましげに言った。
 その調子には、こういう意味が十分こもっていた。
「あなたは、あなたは生きるのが望みです。」
 彼はきびしい言葉を発して彼女の意志をくじいてやりたかった。
「馬鹿な真似《まね》をしますね!」と彼は言った。「家を爆発させるかもしれないのが、わからないんですか。」
「それが私の望みです。」と彼女は憤然として言った。
 彼は彼女の宗教上の恐れを呼び覚《さ》まそうとした。それは急所だった。彼がそこに触れるや否や、彼女は泣き声を立てて言ってくれるなと願った。彼は彼女のうちに生きる意志を呼びもどす唯一の方法であると考えて、なお無慈悲に言いつづけた。彼女はもうなんとも言わな
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