は熱の発作となった。
打ちくじかれた心地で起き上がったとき彼は、彼女がいかに自分よりも多く恥ずかしさに圧倒されてるだろうかと考えた。彼は窓のところへ行った。太陽がぎらぎらした雪の上を照らしていた。庭には、アンナが一本の綱に下着類を広げていた。彼女は仕事のほうに注意をこらして、何物にも心を乱されていないらしかった。歩行にも身振りにもある品格があって、それが彼にはまったく眼新しく、なんだか彫像の動作をでも見てるような気がした。
午《ひる》の食事のときに、二人は顔を合わした。ブラウンは終日不在だった。クリストフはとうてい彼と会うに堪え得なかったであろう。彼はアンナに話しかけたかった。しかし二人きりではなかった。女中が行ったり来たりしていた。二人は用心しなければならなかった。クリストフはアンナの眼をとらえようとしたが駄目だった。彼女は彼をながめてはいなかった。心乱れた様子は少しもなかった。そしてわずかな動作のうちにもやはり、いつもに似合わぬ確実さと上品さとがこもっていた。食事のあとに彼はもう話し合えることと思った。しかし女中はなお居残って、後片付けにぐずついていた。二人が隣室に移っても、
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