ぶつかりまでした。そして茫然《ぼうぜん》と立ち止まった。日はすっかり暮れていた。二人はちょっと休んで、それから踊り仲間に別れを告げた。気恥ずかしさと軽蔑《けいべつ》とで下層の人々に平素あれほど剛直だったアンナは、音楽家たちや飲食店の主人や、ロンドの中で相並んだ村の若者たちに、やさしく手を差し出した。
 彼らは朝通ってきた道をたどって、畑を横ぎりながら、輝き凍ってる空の下に、また二人きりとなった。アンナはまだ興奮していた。けれどしだいに口数が少なくなり、つぎには疲労にとらえられてか、あるいは夜の神秘な情緒にとらえられてか、まったく話しやめてしまった。しとやかにクリストフにもたれていた。数時間前によじ上った坂を降りながら、彼女は溜《た》め息をついた。二人は停車場に到着しかけた。とっつきの人家の近くで、彼は立ち止まって彼女をながめた。彼女も彼をながめて、憂鬱《ゆううつ》に微笑《ほほえ》みかけた。
 汽車の中は来るときと同じように込んでいた。二人は話をすることができなかった。彼は彼女の正面に腰掛けて、彼女をじっと見守った。彼女は眼を伏せていた。ちょっと彼のほうへ眼をあげ、そしてまた眼をそらして
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